Report.34 しもつけミートアップvol.05

みなさんお久しぶりです。今回のレポートは正木が担当させていただきます!3月は毎年やってくる強敵の”花粉”と戦いながら、沢山のイベントに参加させていただきました!
さて、本題のミートアップです。毎度神回ですが、5回目ももちろん神回となりましたので当日の様子をお伝えします!

しもつけミートアップとは?

しもつけミートアップとは、下野市に住む、または下野市にゆかりのある方の好きなことや興味あること、得意なことについてのお話をみんなで聞いてみよう!というイベントです。
今回は地域おこし協力隊編ということで

・大坪亜紀子さん(元地域おこし協力隊・美容屋 youi オーナー兼スタイリスト)
・鈴木祐磨さん(地域おこし協力隊・NPO法人青二才 代表理事)

のお二人がトーカーです。

イントロダクション

司会はシモ学の事務局&NPO法人青二才で初の新入社員である高山裕介。ポップで軽快なおしゃべりによって会場の緊張感がほぐれて、第5回目となるしもつけミートアップ地域おこし協力隊編のスタートです。

『地域おこし協力隊』ってご存知ですか?
はじめて名前を聞いた人や、新聞やテレビのニュースでは聞いたことがあるけれど、実際どんな取り組みなのかわからない人は多いかと思います。
最初に下野市役所で地域おこし協力隊の受け入れを担当している総合政策課の松沼さんに説明していただきました!

<地域おこし協力隊>
都市地域から過疎地域等に移住し、生活の拠点を移した者を地方公共団体が「地域おこし協力隊」として委嘱。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る制度

1人目のトーカーは、大坪亜紀子さん

地域おこし協力隊を卒業した後に、自治医大駅前に美容屋youiをオープンした大坪さん。東京でバリバリ働いていた美容室を辞めて、2019年に地域おこし協力隊として下野市に移住されました。


まずは、下野市に来たキッカケについて話してくださりました。

『地元の北海道や東京でもなく働ける場所を探したいと考え始めました。美容師ってスキルがあっても、初めて訪れるような町にお店を開いてもお客様が来てくれない。信用が無いとダメな職業だと思っています。まずは地域のことを知りたいと思い場所を探しをしていたところ、下野市が地域おこし協力隊を募集しているのを知りました。』

美容師さんってお洒落でスキルさえあればどこでも働けるから羨ましいと思っていましたが、そんなことはなく、長年経験してきたからこその言葉が刺さりました。

次は、地域おこし協力隊の活動についての話。

まずは地域のことを知ろうと、先駆的に活動されている、シモツケクリエイティブの山口貴明さんのもとで勉強させてもらったそうです。具体的には、天平の丘公園を拠点にしたイベントのお手伝いや、夏休みのイベントを企画した他、キリンビールさんが主催していた地域創生プロジェクトのツアーのコーディネートなどに関わるなど、今までしたことのないような仕事に関わらせてもらいながら、多くの出会いに恵まれ、地域に入り込んで協力隊らしい活動をすることができたそうです。

2年目以降はコロナ禍に襲われました。営業できない店舗やイベントができない事業者などが個々で発信しており、それらの声をもっと多くの人に届けたいと思い、webやSNSを活用して情報をシェアする「しもつけサーカス」というプロジェクトを立ち上げ、活動をサポートされていたようです。

そこから今のお店をオープンする大きなキッカケについて話がおよびます。

自治医大地区にある介護施設『新』への訪問をきっかけに、美容のプロである大坪さんと介護のプロである『新』のスタッフが協力して美容サービスを提供する活動「giveto」が始まりました。

『この活動では、寝たきりや難病の方々に特別な訪問美容をプレゼントし、自分らしくいられることや美しさを楽しんでほしいというメッセージを掲げています。施設の方や家族からの依頼で、髪を切ることができない方々の元にプロの美容師が訪れ、特別な時間を提供することができました。
今まで美容師だけでは出会うことがなかった、多くの方々に出会わせていただきまして、この協力隊をきっかけに出会いの幅が広がり、知識や考え方の引き出しが増え、協力隊3年間が本当に貴重なものとなりました。そして下野市がすごく好きになりまして、そういった3年間での気づきを詰め込んで今やっている美容屋youiというものを作りました。』

そして、オープンして2年が経った美容屋youiのこだわりの内装について説明してくれました。例えば、座りながらシャンプー台へ移動できる椅子。広々としたトイレ。車椅子でも移動しやすいようにスロープを真ん中に設置したりなど、多様な方々が負荷の無いように沢山のこだわりが盛り込まれているそうです。

大坪さんに髪を切ってもらった時や以前参加したトークイベントの時に聞いたことがありましたが、何度聞いても飽きない素敵なストーリーです。

2人目のトーカーは、鈴木祐磨さん

今回はシモツケ大学の授業ではありますが、鈴木さんの地域おこし協力隊最終報告会としての側面もあります。気合いを入れすぎて今回使用するスライドを100枚以上作ってきたと事前に聞いていたので、どんな話か楽しみに臨みました。

まず最初のスライドの副題に『下野市を地元って呼んでいいですか?』と問いがあり、全員がきっと心の声で『もちろん!』と答えていたでしょう。そして生い立ちから趣味の枕投げなどの話がありましたが、長くなるので割愛しましょう(笑)。


本題の協力隊活動報告として、着任してからこれまでの3年8ヶ月間について振り返りました。

まちのにぎわい創出を目指し、石橋駅周辺を中心に活動していたそうです。シモツケ大学で様々な授業や相談会の企画運営や石橋にぎわい広場の活用を行ってきたことで、地域のつながりを深めてきました。

最近では、シモツケ大学が拠点として開いたオープンスペースが中高生の溜まり場となり卓球やゲームで遊んだり、世代を超えて人が集まり一緒にコタツを囲んだりできるようになってきたと、嬉しそうに語ってくれました。また相談会をきっかけとして、怪談イベントやコーヒーのテイスティングイベントが生まれるなど多くの成果がでている様子を聞いて、凄いと感心しました。

加えて、高校生と実施している「もしもプロジェクト」では、まち歩きマップの作成や地域の魅力をポスターにまとめる取り組み、高校生主体のフェスの開催などを実施。Uターン促進事業では、若者が地元に興味をもち、地域とのつながりを深める取り組みを行っており、都内で栃木県出身者の交流会やローカルメディア「seemo」の企画運営をされたようです。さらに、協力隊のミッションでもある中間支援組織として「NPO法人青二才」を立ち上げ、地域の活性化と若者の活動支援に取り組んでいます


そして話は変わり、学生時代から下野市に移住するまでを振り返ります。

ここでのキーワードは二つ。「居場所」と「出番」

彼は、小中高時代はスポーツと勉強が得意だったため、自身の居場所と出番がありとても楽しかったらしい。しかし、その後暗黒時代がはじまります。大学受験の失敗と興味のない学部での学生生活、家族との関係悪化と居場所と出番がだんだんなくなっていくことに。

その後、放浪の旅に出て、ヒッチハイクやフリーハグで様々な経験を積み、旅の中で自己を見つめ直し、人見知りを克服する努力もした。イベントの企画や他の人との関わりを通じて、新たな居場所と出番を模索したらしい。

そんな紆余曲折の中でひとつの気づきがあったと鈴木さんは言います。

『自分でイベントを企画したり、居場所を自分で作るっていうのはすごく心地いいなって。幼少期からスポーツと勉強でずっと出番があったので、何かしら自分が貢献して出番が欲しい』と。

そこで、なんと僕、レポーター正木の登場です!

実は僕と鈴木さんは、放浪の旅をしている最中の高知県で出会っていました。僕はシモツケ大学と協力隊の募集に関わっていたため、当時燻っていた鈴木さんに声をかけたんです。

(大好きな友達が下野市で活躍しているのでつい自慢げに話してしまいます!)


自分で居場所を作っていけそうなお仕事かもしれない。そして人と嫌でも関われる!何か出番を自分が持てそうな仕事なんじゃないかな』そんな思いで応募して、下野市に移住を決定しました。

それから、家族のように接してくれる人や、お茶飲みにいつでも来いよっと言ってくださるお店の方がいたり、彼女に振られた夜に共に仕事をしてくれた人がいたりと、協力隊としての活動を通じて、自分自身の居場所を見つけていきました。

自分自身の経験やスキルについて力不足を感じながらも、下野市への恩返しをしたいと思い、ずっと迷いがあったが、協力隊のミッションでもある中間支援組織を立ち上げる覚悟ができたそうです。

そのNPOの名前は、青二才ってちょっと遠くから見ると青=才に見える。青いことは若者、才は才能を意味すると捉えてます。そう、あの青二才は未熟だけど、自分に自信がないかもしれないけど、実は才能に溢れてるんじゃないか、才能を発揮したいんじゃないかって思っています。』

『祐磨という字は「人を助ける力を磨く」と書く。この町に助けられたからこの町に恩返ししたい.。そのために力を磨きたい。』

そして締めに、
『下野市を地元って呼んでいいですか?じゃなくて、もう地元って呼ばせてください!』
『これは僕なりの覚悟だなと思っていて、ここに居場所と出番を作り続けたいなと思ってます。この街で根を張って、自分の未熟さから逃げずにこの街の人たちと向き合って、この街の人と一緒にこの街に恩返しをしていく、そんな覚悟かなという風に思っています。』

最後に

参加者一同で集合写真を撮った後、地域おこし協力隊を今年度で卒業する鈴木さんへ、これまで一緒に活動してきた大学生からサプライズの花束と沢山のメッセージカード。
多くの方に愛されていることが垣間見えますね!

鈴木さんは、地域おこし協力隊を卒業しても、引き続きシモツケ大学の事務局や青二才の代表として下野市で活動しますのでご安心ください!

編集後記

この地で積み重なっていった彼の覚悟が言葉に重みを与え、マイクをもって発表する姿が凛としていつもよりカッコよく映っていた。僕は自分にはない覚悟をもっている人に憧れてしまう。出会った当初はふらふらと放浪していた彼だったが、漂着した先で、憧れの対象になっていた。

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