Report.9 暗渠!?スリバチ!?マニアックな視点から石橋駅周辺を観察。妄想膨らむまち歩き(2021/11/6実施)

今回は暗渠やスリバチといったマニアックな視点の魅力について知るとともに、新たなまちあるきの発見についても学ぶ会となりました。

ところで今回のプログラムのタイトルにもある、「暗渠」「スリバチ」というキーワード。聞いたことのある方は少ないのではないでしょうか。

何だか怪しさすらも感じる「暗渠」というワード。

すぐに意味が分かる方は少ないのではないでしょうか。(ちなみに私は読み方すらもわかりませんでした…)

暗渠とは、もともとは水路であった場所が地下に埋設されたり、ふたをかけられたりしている場所のことのようです。言葉で説明するのは難しいのですが、地表からは見えないけれども、かつてその場所に川や水路があったところという意味だそうです。

今回、この暗渠について魅力たっぷりに語ってくださったのは、石橋出身&石橋高校卒の中級暗渠ハンター(自称)である髙山英男さん。

髙山英男さん

たくさんのユーモアを交えつつお話しいただき、終始会場には笑いがあふれていました。今は地表上からは見えなくても、注意深く観察するとかつてそこにあった水路の様々な痕跡が見つかることを教えていただきました。

髙山さんによるとまちあるきとは、enjoy(楽しむ)の時代そしてlearn(学ぶ)の時代を経て、今はfind(発見する)の時代だそうです。まちあるきに自分だけの視点を見つけて、いろいろな妄想を広げながら発見していくことはとても楽しいですよね。

高山さんのお話からは、自分ならではの視点を持って周囲を観察し妄想力を膨らませることでまちあるきの楽しさが倍増し、ひいてはまちの魅力を引き出す観光資源としても活用することができる、ということを学びました。

最後に印象的だった髙山さんの言葉をご紹介します。「人はみな、心の中に暗渠を抱えている」。意味は是非ご自身で「妄想」してみてください。

続いては「スリバチ」すり鉢…?蜂?

暗渠と違ってどことなく聞きなじみがありそうですが、意味まで説明できる方は少ないのではないでしょうか。スリバチとは窪地のこと指すそうです。そしてこれも、まちあるきをするうえでとても面白い着眼点となります。

スリバチについて教えてくださったのは深澤謙吾さん。

深澤謙吾さん

自治体の職員をされながら、両毛スリバチ学会のトチギ分団長を務めていらっしゃいます。ご自身の豊富なまちあるきの経験から、スリバチに始まる様々なまちあるきの視点を教えてくださいました。「え、そんなところまで!」というようなマニアックな視点をたっぷりと語ってくださいました。

生活するうえで、地形は普段意識することが少ない方も多いのではないでしょうか。坂や窪地、崖があっても、なぜそのような地形になったか、を考える方は少ないと思います。スリバチも先ほどの暗渠と同様に、かつての川の痕跡を教えてくれます。

深澤さんのまちあるきの視点は、もはや無限にこれからも増えていくのではないかと思わせるくらいたくさん種類がありました。例えばマンホール、県や市町の境界、水準点、建物の構造やデザイン、石材、地面に埋まったプルタブ、電柱の表記…等々。

こういった視点は深澤さんの言葉をお借りすると、知っておくと「得にはならないかもしれないが、人生に潤いを与えて」くれます。深澤さんのお話からは、今までは何となく見ていた風景も、ルールや仕組みが分かると急に面白くなるということを学びました。

そしてまち歩きへ

石橋駅周辺を髙山さん、深澤さんとともにまちあるきをしました。

まち歩きの様子

参加者の中には普段からそのあたりを歩き慣れている方も多くいましたが、講演で広がった視野を駆使して新たな発見をしながら歩くことができました。

目的地の遊歩道は現在暗渠、つまりかつては水路だった可能性が高いのですが、注意してみてみると横道よりも少し標高が低かったり、道に沿って建てられている家々が遊歩道に背を向けて(水路側にドアを作らないため)建っていたりして、参加者でかつての水路を感じることができました。

参加者と記念撮影@下谷田遊歩道

今回参加してみて

自分なりの視点をたくさん持てば持つほど、まちあるきの魅力が各段にあがるということを知りました。ただぶらぶら歩く中でも、発見が多いと日常に輝きが増すような気がします。

自分一人で視点を見つけることは少し難しいので、今回のプログラムは新たな視点を手に入れる良いきっかけになったと思います。色々な発見を繰り返しながら、これからもまちあるきを楽しみたいと思います。

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